創業者でもある工業デザイナーのSolveiga Pakštaitėさんが、英ブルネル大学在学中に考案したものだ。
・ラベルに触れるだけで食品の鮮度が確認できる
「Mimica Touch」は、ゼラチンベースのジェルが、食品の変化や温度変化に反応し、分子崩壊することで、対象の食品と同じペースで劣化していく仕組み。
食品が新鮮なうちはなめらかな表面が、食品の劣化に伴って、凸凹してくる。
消費者は、ラベルに触れるだけで食品の鮮度を確認でき、安全かつ無駄なく、食品を消費できるというわけだ。
・食品表示のアクセシビリティ向上にも寄与
英非営利団体「WRAP」によると、2015年時点で、英国の家庭から排出された食料廃棄物は730万トン。食品は、実際、保存環境や扱い方によって劣化のペースが異なるが、一律に消費期限が記載されているため、まだ安全に食べられるにもかかわらず、その多くが廃棄されているのが現状だ。
「Mimica Touch」は、食品の鮮度をより精緻に検知することで食料廃棄量の削減につながるのみならず、視覚障がい者や高齢者ら、従来の食品表示が読みづらい消費者にも食品の鮮度を触覚で伝えられることから、食品表示のアクセシビリティ向上にも役立っている。
「Mimica」では、2018年3月、デンマークの大手乳製品メーカー「Arla Foods(アーラ・フーズ)」との提携のもと、パック詰め牛乳を対象に「Mimica Touch」の実証実験に着手しており、今後は、他の食品にも広く展開していきたい方針だ。(文 松岡由希子)
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